【タコ図鑑011】ムラサキダコ
ムラサキダコ
学名:Tremoctopus violaceus
英名:Blanket Octopus
界 : 動物界 Animalia
門 : 軟体動物門 Mollusca
綱 : 頭足綱 Cephalopoda
上目 : 八腕形上目 Octopodiformes
目 : タコ目(八腕目) Octopoda
科 : ムラサキダコ科 Tremoctopodidae
属 : ムラサキダコ属 Tremoctopus
種 : ムラサキダコ
■生態
「毛布ダコ」の英名を持つ浮遊性のタコで海面付近を漂って生活する。
地方名では「ハゴロモタコ」や「ヘビダコ」などと呼ばれ、漁師からは「コロモダコ」の名で呼ばれる事も多い。
体色は背面側が黒紫色で、腹面側は白色に近い。
(釣り上げる等をすると体色が変化する)
この背面側と腹面側で体色が異なるのは外敵から身を隠し、捕食の際は獲物に気付かれずに近づく為の保護色と考えられる。(マイワシ、マサバなど海面近くを泳ぐ魚類も体色に同じような特徴がある)
本種は足と足の間に衣のような皮膜を持っており、これをマントのように広げる事が出来る。
この皮膜は長さ3mにも達し、天敵に襲われたときの目くらましとしての機能を持つと考えられている。また、この皮膜は厚さが2mm程度と非常に薄く、捕獲した際にちぎれてしまう事が多い。
(膜がすぐちぎれてしまうのはトカゲの尻尾切りのように捨て駒の役割を持つとの説もある)
雌の体長は70cm程度、雄の体長は最大でも3cm程度と雄雌の大きさが極端に異なる。(こういった極端に雌より小さい雄を矮雄という。深海魚などに多く見られる。)
食用は可能であるが、味は「水っぽくてとても食べれたもんじゃない」と言われているのでオススメはしない。
動画:ムラサキダコ
また、余談ではあるが日本に伝承される妖怪の中に「衣蛸(ころもだこ)」と呼ばれるものがあり、「小さなタコの妖怪で船が近づくと体を衣のように大きく広げる」という特徴が本種の特徴と似ており、また冒頭に記載したように本種が漁師から「コロモダコ」の名で呼ばれる事がある事から本種が妖怪衣蛸のモデルになったものと推測されている。
via:realmonstrosities
via:thelife-animal