【絶滅動物001】ドードー
ドードー(モーリシャスドードー)
学名 Raphus cucullatus
英名 Dodo
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 鳥綱 Aves
目 : ハト目 Columbiformes
科 : ドードー科 Raphidae
属 : Raphus Brisson, 1760
種 : ドードー R. cucullatus
1681年絶滅
■生態
翼が退化しており、飛ぶことはできなかった。
顔面は額の部分まで皮膚が裸出し、奇妙な形状を為すクチバシは最大で25cmにも達した。
クチバシが25㎝と聞いてもパッと想像出来ないかもしれないが、
そんな時は自分の靴のサイズを思い出してほしい。
アナタの足より少し小さいか大きいか程の大きさだ。
全長約1メートル。
体重は3~9月の最も重くなる時期で20㎏程度になると言われている。
ちなみにスズメは25g、卵用鶏のニワトリ「白色レグホン」で2㎏程度。
■絶滅まで
ドードーが発見されたのは1505年~1507年の大航海時代初期。
当時のポルトガル人が発見したと言われている。
大航海時代と聞くと何だか冒険っぽい響きでワクワクしてしまうかもしれないが、
実際は「植民地主義的な海外進出」である。
・大航海時代
15世紀中ばから17世紀中ばまで続いたヨーロッパ人の海外進出。
『新たな領土を獲得することは莫大な利益を生み出す』
当時の海外侵略はいわゆる「早い者勝ち」で、
例え貧困民や下層民であっても運さえあれば貴族に匹敵するほどの富を得る事も可能であった。
また、そう簡単に航海できる訳ではなく、
船旅自体は大変過酷で危険なものであった。
遭難や難破、疫病などにより、乗組員の生還率は20%にも満たないと言われている。
また、他の船を襲撃したり襲撃されたりも珍しくなく、結構物騒な時代だった。
ドードーの生育していたモーリシャス島はそんな時代の中で発見されたのである。
そして1638年にはオランダ人によって植民が開始され、また島自体は航海の中継基地とされた。
この事がきっかけでドードーは急激に数を減らす事になる。
上でも書いたがドードーは飛ぶことが出来ない。
そして歩く速度も遅く、非常に狩りやすい鳥であった。
外敵から逃げる事が出来ないドードーは食料として、また見世物として乱獲を繰り返される事になる。
また、当時の船乗りは野蛮人が多かったらしく、ゲーム感覚で殴り殺されたりもした。
そのような乱獲が繰り返されドードーは急激に数を減らしてゆく。
そして1681年、イギリス人ベンジャミン・ハリーの目撃を最後にその姿を消した。
【補足】
ドードーの肉はぶっちゃけ油臭くてマズく、船乗りや入植者が持ち込んだイヌやブタ、ネズミによる雛や卵の捕食が絶滅の主な原因だという説もあるが、逆に肉が美味だった為に頻繁に乱獲された説もあり、今となっては真偽はわからなくなってしまっている。
(直接的だとしても間接的だとしても絶滅させた事には変わりは無いのだが…)
■童話に登場するドードー
さて、発見から百十数年で悲惨にも絶滅してしまったドードーだが、
いくつかのフィクション作品にも登場する。
有名なものではルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」などがそれにあたる。
そういった作品でのみ登場するドードーを見て「架空の生物」と思ってしまう人もいるのではないだろうか?
(参考画像)コーカサスレースの後にアリスに指ぬきを渡すドードー
■近縁種
また、本種モーリシャスドードーの近縁種としてハト目ドードー科には他に2種類の種が存在するが
その種もまた近い年代に絶滅してしまっている。
photo credit: net_efekt via photopin cc
photo credit: Marji Beach via photopin cc
photo credit: mwanasimba via photopin cc
photo credit: BioDivLibrary via photopin cc