【絶滅動物005】ジャイアントモア
■ジャイアントモア
学名 Dinornis maximus (Owen,1843)
英名 Giant Moa
和名 オオゼキモア
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 鳥綱 Aves
目 : ダチョウ目 Struthioniformes
科 : モア科 Dinornithidae
属 : オオモア属 Dinornis
種:ジャイアントモア maximus
1500年代以前に絶滅
■生態など
ニュージーランドに生息していた、世界で最も背の高い鳥であったとされる鳥。
頭頂までの高さ最大約3.6m、体重250㎏程。
オスよりもメスのほうが大型になり、高さで1.5倍、重さで2.8倍程度の差があったとされている。(ちなみに現生する鳥類においては全長230cmのダチョウが最大種)
また他の全ての走鳥類(ダチョウやエミューなど)は翼を持たないながらもその痕跡があるのだが、本種に至ってはその痕跡すらない。
化石の胃から草や小枝、針葉樹の実の残骸が発見されており、ジャイアントモアは草食で、木の枝についた葉を食べていたとされる。(高い身長を使ってキリンのように食事をする)
■絶滅まで
ジャイアントモアが生息していたニュージーランドは古くから大陸より切り離され孤立した島であり、それ故に独特の生態系が形成されていた。哺乳類が3種のコウモリ類とクジラ類のみしか存在せず、陸生哺乳類のニッチを本種ジャイアントモアやキーウィ、フクロウオウム(カカポ)、タカヘなどの羽を退化させた「飛べない鳥」が担っていた。その中でもジャイアントモアは飛び抜けて大きかった。
●ジャイアントモアとハルパゴルニスワシ
当時のニュージーランド生態系の頂点に存在していたといわれているハルパゴルニスワシはジャイアントモアの唯一の天敵であったが、それ以外の外部脅威はほぼ無く、基本的には平和であり、それ故か一度に産む卵の数が2~4個と繁殖力は低かった。(ハルパゴルニスワシもジャイアントモアと同時期に絶滅している。)
■マオリ族による乱獲
ジャイアントモアが絶滅した理由として語られるのが、移住したマオリ族による乱獲である。
(マオリがニュージーランドにいつどこから来たのかは明確になっていない)
元々は漁撈、農耕を営んでいたマオリであったがニュージーランド渡来後、狩猟を中心とした生活に変化した。
もちろんジャイアントモアも狩猟対象とされており、肉は食料に、骨は釣り針や装身具・工具材に、羽毛はケープや首飾りなどに用いられた。
マオリがジャイアントモアを狩る方法として2つ代表的な方法がある。
1つ目が「足を棍棒で叩いて倒す」方法
ジャイアントモアの巨体を支えているのは2本の脚のみであり、片足を棒で叩くとバランスを崩し倒れたといわれる。
(倒れた個体は袋叩きにされて狩られる)
2つ目が「焼き石を食わせ、死ぬまで待つ」方法
ジャイアントモアには砂や小石を飲み込む習性があった。
※全ての鳥類には砂嚢と呼ばれる内蔵がある。砂や石を飲み込む鳥類は砂嚢の中で「あらかじめ飲み込んでいた砂や小石」を使って食べた物をすり潰してから胃に送る。(全ての鳥類が砂礫を飲み込む訳ではない)
その習性を利用し、焼いた石をジャイアントモアに飲ませる。
飲み込んだ焼き石により内蔵が火傷し、ジャイアントモアは苦しみながら死んでしまう。
マオリ族によって乱獲されたジャイアントモアは元々繁殖力が高くないのも重なり、その数を驚異的な速さで減らしていった。最後の個体は1440年と1445年の間に死亡したとされている。(Land Care Researchによる2014年の調査より)
ジャイアントモアが世に知られるまで。
マオリ族の伝承によりその存在は伝えられていたが当時の多くの学者はその「巨大な飛ばない鳥」の存在を信じず、本種の化石が発見されてもその大きさから鳥類の化石とは想像すらされなかった。
ジャイアントモアの存在を証明したのは考古学者のリチャード・オーウェン(研究分野:比較解剖学、古生物学)であった。
オーウェンはジャイアントモアの化石である15cmほどの骨の欠片を見て「鳥類の大腿骨」であると断言し、他の研究者にその意見を疑われ、批判や揶揄の声を浴びながらもジャイアントモアの化石を集め、骨格標本を完成させ、その存在を世に証明した。(この時、オーウェンはジャイアントモアを「恐鳥」と名付けた。)
●リチャード・オーウェンとジャイアントモアの骨格標本
コメント
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